「転勤」と聞くと、引っ越しの手間や環境の変化、家族への影響など、ネガティブなイメージを持つ方が多いかもしれません。
なかには「転勤なんてデメリットしかない」とまで思う方もいるのではないでしょうか。
しかし、転勤は本当にデメリットしかないのでしょうか?
実のところ、人脈作りやプライベートの充実といったメリットがあるのも事実です。
本記事では、実際に転勤を3度経験(転園・転校も経験あり)している筆者が、転勤のデメリットだけでなく、そのメリットも徹底解説します。また、もし「転勤は嫌だ!」という場合にどうすれば回避できるのか、その対応もご紹介します。
転勤をどう捉えるかはあなた次第。本記事を読んで、自分にとって最適な選択肢を見つけてみませんか?
「転勤はデメリットしかない」と感じる理由とは?
転勤は多くサラリーマンにとって、大きな負担となるイベントだと思います。
それだけに「転勤はデメリットしかない」と感じる人は多いのではないでしょうか。
ここでは、転勤がなぜデメリットと感じられるのか、その理由を具体的に解説します。
生活環境の変化によるストレス
転勤により、当然住む街も、家も、職場も全てが一変します。
一つの変化でもストレスを感じてもおかしくないところ、一度にさまざまな環境の変化に適応しなければならない転勤はやはりストレスが多いものです。
また、個人的には転勤のたびに、住民票や公共料金など公的な変更手続に始まり、保険やAmazonなどありとあらゆるすべての契約について住所変更が必要となること、これがなかな面倒で、非常にストレスを感じる作業だと思っています。
人間関係のリセットが必要になる
新しい職場では、同僚や上司と一から関係を築く必要があります。
生粋の陽キャならともかく、通常の人であれば、縁もゆかりもない土地に一人投げ出され、人間関係を再構築していくことはなかなかにしんどいものです。
さらに、仮に地方への転勤ともなれば、方言や文化の違いに戸惑い、円滑なコミュニケーションが難しくなるケースもあります。
私自身、秋田へ転勤したことがありますが、言語の問題に直面しました。赴任直後は本当に何を話しているか2-3割はわからなかったと言っても過言ではなく、何度も聞き返してしまい嫌な顔をされたことを今でも覚えています。
家族への影響が大きい
自分だけならなんとでもなるという方も、転勤は、本人だけでなく家族にも影響を及ぼします。
もし転勤へ家族で帯同するとなれば、配偶者が仕事を辞めなければならないケースや、子供の転校など、生活も大きく変化し、大きな精神的負担が発生する懸念もあります。
今でこそ良い思い出だと思っていますが、私自身幼稚園、小学校と転園·転校を経験しています。その時はやはり友達と離れるのも辛かったですし、新しい友達ができるか、新しい学校に慣れることができるか、非常に不安であった記憶があります。
人生設計が立てづらい
転勤があると、人生設計が難しくなる側面があります。
例えば、マイホームの問題です。◯歳にはどこどこにマイホーム購入したいなと考えていたとしても、その時どこにいるかも読めず、さらに購入できたとしてもまた転勤により住めなくなるというリスクがあります。
また、親として子供の成長を近くで見届けたい、家族と、今後このように接していきたい!と夢を抱いていたとしても転勤により長期間離ればなれ。なんてことも容易に発生します。
転勤にはこういった自身が望む人生設計とかけ離れてしまう、そんなリスクもあります。
見落としているかも?転勤の意外なメリット
ここまで見て、「やっぱり転勤なんてデメリットしかないな」と思われたかもしれません。
ただし、デメリットばかりに目が行きがちですが、当然メリットも存在します。わかりやすいものから、意外なものまで、転勤のメリットをご紹介していきます。
エリア限定職に比べて給与は高い
全国転勤がある正社員は、基本的に転勤分の手当が上乗せされていますので、エリア限定の社員よりも当然給与が高くなることが多いです。
そのため、やはり働くうえでお金の優先度は高い!という人においては、シンプルですがメリットになるのではないでしょうか。
人脈が広がる
転勤によって様々なところで勤務することで、職場や取引先の人脈を広げることが可能です。
通常サラリーマンとして結果を出していく以上、個人の力量だけではなく、助けてくれる仲間が多い方が良いに決まっています。
その観点で、社内外に幅広く人脈を作るチャンスのある転勤は非常にメリットが大きいと考えられます。
プライベートの充実につながることも
転勤が地方であった場合、地方には地方なりの良さがあり、プライベートを充実させる方法がたくさんあります。
例えば、
✅食べることが好きなら、その土地ならではのご当地品の食べ歩き
✅ゴルフが好きなら、東京では数万するところ数千円でやり放題
✅海が好きならサーフィン、山が好きなら登山、北国なら冬はスキーやボード
探せばいくらでも見つかります。行く先々で別な楽しみを見つけることができるのは転勤の良さの一つと言えます。
物を整理する良い機会になる
ちょっと変わり種ですが、転勤を繰り返すと、物を減らし、生活をシンプルにすることが簡単になります。
これは、引っ越しのたびに不要なものを処分したり、引っ越しが大変になるのでそもそも物を多くしたくなくなるからです。
自分の好きな物、必要な物だけに囲まれていたいというミニマリストを目指す方には、意外と転勤というスタイルはありかもしれません。
いい意味でリスタートできる
先ほど人脈がどうこうと言っておきながら逆行するようなことを言いますが、転勤はある意味、これまでの流れを一旦断ち切り、やり直すきっかけにもなります。
例えばあの職場には馴染めなかった、この職場では少し結果を出せなかった、そんなことがあったとしても、転勤は心機一転するチャンスになります。
過去のしがらみから解放され、新たなスタートを切ることができる良さがあるのです。
話の幅が広がる
転勤を経験することで、多くの地域の歴史や文化を知ることができます。
それらの知見は会話の引き出しを増やしてくれ、ビジネスシーンでも活かせことがでてくるでしょう。
また、皆さんも経験があると思いますが、昔◯◯県にいたことがあるなど、何かしら地縁やゆかりがあると、それだけで話が弾むものです。そういった意味でも、転勤はコミュニケーションを円滑にする一つの手助けにもなり得るということですね。
やっぱり「転勤はデメリットしかない」と思うなら?転勤を回避する方法を模索!
いやいや、でもやっぱり転勤はだめだという方。そんな方には転勤を避けるための対応について、いくつかご紹介します。
事情によっては転勤を配慮してくれることも!まずは相談してみよう
企業によっては、家庭の事情や特別な理由を考慮して転勤を免除するケースがあります。
例えば、育児や介護などは事情によっては意向を汲んでくれる可能性はあります。嘘はよくないですが、本当にやむを得ない場合には、上司や人事などと相談し、柔軟な対応が可能か確認しましょう。
なお、辞令後の相談は基本的に難しく、サラリーマンとしてマナー違反と言えるでしょう。前もって相談するよう心がけることが大切です。
エリア限定への転換も検討
転勤のある総合職、転勤のないエリア限定職いずれもある場合、エリア限定の働き方へ転換するのも一つの方法です。
多少給与が減ったとしても、定住し、安心して暮らせる方がメリットが大きいと考える場合には、考える価値のある選択肢になり得ます。
希望する際は、まずは社内で職種転換が可能か、確認してみましょう。
転職・キャリアチェンジを視野に入れる
どうしても転勤が避けられない、給与ダウンも飲めないという場合には、転職を考えることも選択肢の一つです。
転勤がなく、かつ給与も下がらないような職場を探しましょう。これまでキャリア次第ではありますが、希望に沿う職場を見つけることも可能かもしれません。
まとめ
転勤にはデメリットが多く、ストレスや家族への負担が生じることも事実です。
しかし、視点を変えれば、新たな出会いやプライベートの充実など、メリットも多くあるのもこれまた事実です。
そのうえで、やっぱり「転勤はデメリットしかない」と感じる場合は、会社と交渉し転勤のない働き方を模索すること、場合によっては転職を視野に入れることも選択肢となります。
最終的に、自分が何を優先するのかを明確にし、納得できる働き方を選ぶことが大切です。転勤という働き方は自分にとってどうなのか、本記事が参考に、改めて振り返ってみてくださいね。
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